第七回 36歳。恋愛をするにはタイミングよりもステップが必要です

 

 

ちゃんと好きな人でないとセックスをする気にはなれません

 

「人恋しくなるタイミングですか? 月のサイクルで言うと、やっぱり生理が終わってから1週間後の排卵期ですね。『誰かいたらいいな~』という気持ちになります。でも、私はちゃんと好きになって、私のことを受け入れてくれる人でないとセックスをする気にはなれません」

東京の下町にある居酒屋でサヤカさん(36歳)と語り合っている。高度な専門職として働いているが、いわゆるバリキャリ感は出していない女性だ。話しやすい人柄なのでお互いにお酒も進む。生理と感情の関係といったやや赤裸々なことも教えてくれるが、筆者のために「話を盛る」ことはしない。考えながら言葉を選び、自分の感覚をできるだけ正確に表現しようとしてくれる。

では、サヤカさんはどんな男性を好きになり、どのような流れで恋人になるのだろうか。本連載の趣旨である「恋愛タイミング」とは話がズレるが聞いてみたい。

「彼氏にしたいタイプは、理想の結婚相手と変わりません。普通に会話ができて、私をわかってくれる人です。何か一つでも好きなことがある人には魅力を感じやすいですね。もっと話したいな、彼のことを知りたいな、という気持ちになります。それが『会いたいな』になり、一緒にご飯に行くことが増えると『もっと一緒にいたい』になるのだと思います。私の場合、恋愛をするときにこのステップが必要です」

 

イケメンでなくてもかまわない。何かに夢中になっていてほしい

 

2017年の冬まで1年間付き合っていたシンジさん(36歳)との出会いは合コンだった。シンジさんはいわゆる理系男子で、身長は高いが決してイケメンではなかったとサヤカさんは振り返る。

「私は見た目はあまり気にしません。彼はマンガやアニメが好きらしくて、その話を面白く語ってくれました。自分の意見もあるところに魅力を感じたんです」

サヤカさんのほうは小柄で色白で和風な顔立ちをした美人だ。余談になるが、彼女のような外見を好むのはなぜか高身長の男性が多いと思う。人は自分にないものを本能的に求めるのかもしれない。ちなみに筆者は顔は大きいが目が細くて鼻は小さいので、目鼻立ちが爬虫類並みにはっきりした小顔の女性に心惹かれる。

お互いに「一人でも平気なタイプ」だったというサヤカさんとシンジさん。特にシンジさんは何よりも仕事が優先で、土日も出勤することが多く、翌朝が仕事だとデートを早めに切り上げて自宅に戻るのが基本だった。

「デートは月に1、2回でした。連絡は取り合っていましたが、『会おう』と誘うのは私のほうが多かったと思います。どちらかといえば私が我慢をしていた恋愛でした」

にもかかわらず、付き合って1年後に別れを切り出したのはシンジさんのほうだった。サヤカさんと一緒にいると見下されている気がする、というのが理由だ。

「私は彼を優秀な人だと尊敬していました。口に出して言ったこともあります。でも、彼にはどこか自信のなさがあったのだと思います。私の経歴にコンプレックスを感じていたふしもありました」

 

賢くて気遣いもできるサヤカさん。彼女と付き合える男性像は?

 

筆者にもシンジさんと同じような部分があるので、女性読者向けに「仕事熱心に見える男性が実は自信がなくなっているタイミング」の見分け方を最後に書いてみたい。見分け方は単純だ。「急な仕事が入った」程度の理由でプライベートの約束を簡単にキャンセルするような人は、よほど不誠実でない限りは仕事上で余裕がなくて自信を喪失している可能性が高い。

仕事に追われるのではなく追っているような状況ならば、職場以外の体験が生活を豊かにし、回りまわって仕事にもプラスに作用することが理解できる。例えば、サヤカさんのような賢い女性と腹を割ってたくさん話すだけでも、様々な興味深い情報に接することができるし、ときには有用なアドバイスをもらえることもある。

自信を失っているとこのような気持ちになれず、「アドバイスなんかする彼女はオレをバカにしているんじゃないか」という卑屈な気分になってしまうのだ。すると、情報も助言も入って来なくなり、仕事の幅がますます狭くなる。悪循環だ。

サヤカさんがハイステータスなのは仕方のないことだ。隠すべきことでもない。仕事には好循環のタイミングもあることを知り、サヤカさんと付き合うことはその循環をより良いものにする。そう感じられる男性と出会うことが彼女には必要な気がする。

※登場人物はすべて仮名です。

 

イラスト:吉濱あさこ http://asako-gaho.com/