第三回 守りたい、この想い(0円で)

 

笑ってほしい、守りたい、純粋な想いはこんなに強いのになぜあの人は、ありていにいうとモテは、いつもこの手からすべりおちてゆくの…。

一体どこに原因があって、何がダメなのか、他人の生き様を踏み台にしてヒントや答えを教えてくれる電波通信教育、それがラジオ電話人生相談…。

 

某月某日

現在別居中の妻と離婚したくない30代男性。

 

「そうですね、彼女は本当に生活が嫌だったというか。思い返すと全部妻に負担いってたのかなと。もし戻ってきたらこういう話しようと思っていて。家事も全くに平等ではなかったので。帰る時間も妻が早くて僕が遅くて、必然とご飯作るのも向こうが多くなって、甘えて僕もやらなかった部分もあるので」

 

今になって思えば、の反省系は夫側からの相談でよく聞かれる鳴き声です。

この声を耳にすると、あー別れの季節がやってたかあってしみじみ感じますね(風物詩)。

 

「家計に関しても妻に任せっきりになってしまっていたのでもっと踏み込んでおけばよかったなとか」

 

「夜の関係もちょっとソレは無くなってしまってたのもあるのでそういう部分もウーン、もっと向き合ってたらよかったのかなとか」

 

放送は昼前なのに夜の話が出がちなのも当コンテンツの特徴なのでそこらへんご了承ください。

 

「あなたはどうしてこの結婚生活をやり直したいんですか?」

 

「えー、もちろん妻への想いは昔から何も変わってなくて。仲悪くなって疎遠になった時も僕はいつもどおりの喧嘩だなあ、すぐ戻れるな、くらいの認識しかなくて。気がつけば彼女の笑顔も全然みてなくて、今は話もできない状況で。もうどうしていいかわからない」

 

この番組に電話をかけてくる相談者(別れ突きつけられた側)には、流れるように淀みなく「俺の想いポエム」を朗読するタイプが多く、今回もバッチリ当てはまっており「よりを戻す」を「彼女の笑顔を取り戻す」って言い方にさらっと変換できちゃうあたりにこのナチュラルボーンポエム製造者の能力の高さを感じます…。

 

なおも続く妻の笑顔を取り戻したいポエムの途中で回答者が、

 

「あの、収入どのくらい渡してました?」

「3…4分の1…くらいですね」

 

あれっ彼女への想いと金銭の収支バランス、おかしくない?????

 

「あのねえそういうの、気になるんですけどもね?奥さんの持ち出してる負担多いって、

あなたの方で明確な感覚ありますかね?」

「そこも任せっきりだったので…」

 

アーーーッ彼女への想いは強くて負けないけど実際的な家計管理能力は弱いマンーーー。

 

「任せっきりって…ひょっとして奥さんの暮らしで成り立ってるって事ありませんか?」

「…その辺の話深くした事なかったです…」

 

ドラマにおいて視聴者は、主人公の主観や格好の良いモノローグを信じてその物語世界を見る事が多いのだけど、この番組での主人公たる相談者のポエム愛ランドに、家計という現実をねじ込んだら一瞬で世界の均衡が崩れ落ち、見えてる景色が変わってしまった…。アニメとかでパッキーンと鏡のよにひび割れて崩れ落ちる背景、ってアレをたった2人の肉声のみで体験できてしまうこの高度な演出に感動…。

それにしても収入の1/3、もしくは1/4の生活費で疑問なく彼女の笑顔を取り戻すつもりだったのか相談者。

 

笑顔といえば以前、手芸の本を制作していたとき流行している動物ということで「笑顔の芝犬」のオーダー入るも何度作っても屈託のない顔にならずどうしても含みのある顔になってしまい「私には笑顔が作れない…笑顔がわからないんです…」と編集に訴えたら心配されたことあるので私の笑顔も取り戻したい…。ギャランティーはそれなりで…。

 

どうしても無の顔になるワン…。

 

 

某月某日

妻に離婚されたけど、離れてしまった子供とは父親としていい関係を築き上げてきたのでこれからも守っていきたいと熱く語り、誓う男性。

「表面的には気持ちよく爽やかなんだけど貴方、養育費も送ってないんじゃない?」

「はい!」

子供は守りたいし離れててもいい関係って言ったその口で元気に答えられる電話人生相談者、安定の高クオリティ。

 

「想い」とか「笑顔」とか「守りたい」やらは、目に見える結果や成果物やデータ、そして生活費、養育費を出せない者が代わりに差し出す通貨なのか。

こんな通貨で支払いされそうになったらみんな全力で逃げようね!

そしてとりあえずモテを失いがちな者は最低限、払うものを払おうね!払え…!!!!!

 

 

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