第八回 男子高生だってジャニーズ事務所にあこがれていた

 

■ジャニーズに入ったら死ぬほどモテるんでしょ?

 

 

いやービックリしましたね、嵐の活動休止発表。

 

「A・RA・SHI」なんていう面白タイトルの楽曲でデビューした時には、「こりゃ、さすがのジャニーズでも売れないだろ〜」なんて思っていましたが、まんまとバカ売れして今やザ・国民的アイドル。

 

ジャニーさんの先見の明&プロデュース能力、ハンパないっす。

 

さて、男子高生にとって「ジャニーズ」は、とっても微妙な存在です。

 

女子のいない環境なので、表だってキャーキャーいったり、話題の中心になったりするわけではないけれど、「光GENJIの元にはバレンタインデーに3トントラックいっぱいのチョコが届いたらしい」とか、「プレゼント企画をやったら応募ハガキで会議室が埋まった」「ジャニーズを小馬鹿にしたラジオ・パーソナリティの元に一生使えるんじゃないかという量のカミソリが届いた」などなど、興味のない男子高生の元へもジャニーズ伝説は伝わってきていました。

 

そんな田舎の男子高生にとって最大の関心事は、ド直球に「ジャニーズに入ったら死ぬほどモテるんだろうな」ということ。

 

「トラックに入るチョコが1万枚として、毎日1枚チョコを食べていっても、約30年は食べ続けられる!?」

「いや、そのチョコ一枚一枚、違う女の子から贈られているということは、毎日違う子とヤッても30年ヤリ続けられるってことだ!」

「いいなー、いいなー、ジャニーズに入ったらそんな生活できるの!?」

 

頭が悪いにもほどがある、とてつもない戯言の応酬。

 

「そもそも○○なんて、そこまで格好いいか!?」

「ローラースケートできるだけじゃないか!」

「アレがジャニーズになれるなら、オレたちだって可能性あるだろ!」

 

うらやましさのあまり思考がオーバーヒートし、遂にはジャニーズ・ディス&「いいから黙って鏡見ろや」的妄想に突入してしまうわけです。

 

薄らボンヤリした印象で、格好いいのか悪いのか微妙な立ち位置だった光GENJIの○○くんだって、身近にいたらメチャクチャ格好いいと思うよ。冷静になれ!

 

■ジャニーズどころか、九九があやしい大人に

 

何だかんだで「ローラースケートができればジャニーズに一歩近づける」という結論に落ち着いたボクたちは、さっそくローラースケート場へ行くことに。

 

まったくの机上の空論どころか、単なる妄言に突き動かされてローラースケート場にまで行っちゃうなんて、どこまで行動力あったんだろう……。

 

体育の授業ですら活躍すること皆無といったタイプのボンクラ4人組でローラースケート場にやって来たわけですが、今のローラーブレードなどとは違い、当時のローラースケートは自動車のように片足ごとに4つタイヤがついている四輪駆動スタイル。ド初心者でも、なんとか立つことくらいはできるんですよね。

 

「おっ、意外とカンタンかも!?(光GENJIに一歩近づいた!)」

 

なんて思ったのも束の間。前にも後ろにも進めない。

 

右足を前に出せば左足が後ろに、左足を出そうとすれば右足が下がり……。ダイエット器具「エアウォーカー」状態で、まさに進退窮まれり!

 

小学生くらいの子たちが平気でツイーッツイーッとリンクを滑っていく中、片隅でプルプル震えるばかりの男子高生4人組。

 

とりあえずジャニーズからは冥王星よりも遠い位置にいることだけは確認できたものの、このまま帰るのもくやしいし(レンタル代がもったいない!)、かといって滑れるようになる予感もゼロ。

 

そこで、逆上がりできるかできないかレベルの運動神経を誇るUくんがすごい提案をしてきました。

 

「せっかくだからバク転してみよう」

 

前に進むこともできないのにバク転とは……、石器を使えない猿人に個人情報満載のスマホを持たせるくらいデンジャラスなチャレンジ!

 

念のため言っておくと、ボクらは別にローラースケートを履いていない状態であってもバク転なんてできません。

 

「ローラースケートを履いていた方が簡単にバク転できるんじゃない? なぜなら光GENJIが簡単そうにやっているから」理論ですな。

 

「100%勇気」ならぬ「100%無理」とは思いつつも、「バク転できたら超モテる」という浅はかな期待に突き動かされ、思い思いの「バク転」らしきアクションをした結果、吉本新喜劇のようにズコーッとキレイに崩れ落ちるボクら。

 

そんな中、Uくんだけはピョーンと宙に浮かんだ!

 

そのまま身体が海老反りになって……コンクリートの地面に頭から着地。

 

この時の記憶、スローモーションで未だに脳内再生できます。奇跡的にキレイなフォームでバク転体制に入った後、そのまま垂直落下。「絶望」を効果音にしたら、こんな音じゃないかという鈍い激突音と、「もげっ」というUくんのうめき。

 

しこたま後頭部を打ち付けて、なかなかヤバメな感じでぶっ倒れているUくんを見て、「あ、死んだ」と思ったボクらでしたが、スケートが滑れないもんで近づくこともままならず。

 

ほふく前進状態でなんとかんとか這い寄ると、Uくんはギリギリ意識が残っており、めちゃくちゃホッとしたものです(ただしその後、九九の七の段があやうい大人になってしまいました)。

 

 

……とまあ、ファンでもない、運動神経も最低レベルな田舎の男子高生にまでローラースケートを履かせてしまうジャニーズ事務所。

 

そのトップに君臨する嵐が活動休止ということで、ショックを受けている方も多いかとは思いますが、あの日、Uくんが打ち付けた頭よりはショックは少ないと思いますので、いつか復活する日を願って、力強く生きていってもらいたいものです。

 

 

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