第十五回 男の人がそばにいないと嫌。一緒に過ごせるパートナーがほしい

 

 

 

女が男を選んでもいいはず。なんなら私が養いますけど?

 

金融機関の中間管理職として活躍しているタカコさん(43歳)とワインを飲みながら語り合っている。酒席ではざっくばらんで少し隙もある美女だが、仕事中は「怖い上司」だと自覚しているという。

マニアックなほど突き詰めている専門分野での知見を活かして転職して、今のポジションをつかんだ。いわゆるバリキャリ女性である。年収は1千万円を軽く超えているだろう。

「確かに、お給料的には一人でも暮らしていけます。だから、お金持ちのハイスペック男性から選んでもらいたいという感覚はありません。女が男を選んでもいいじゃないですか。あまり稼いでなくてもかまいません。なんなら私が養いますけど?という気持ちです。養ってもらうことを前提に、ハイスペックな男性に迎合している女性を見るともったいないなと思ってしまいます」

そのタカコさんも以前、いわゆるハイスペックな男性と結婚していた。別の金融機関に勤めていたときの同僚で、仕事ができる3歳下のイケメンだった。しかし、彼にはこだわりや思い込みが強すぎて、現実と折り合いをつけられない短所があった。

きっかけは子どもを作るか否か、だった。タカコさんは子宮関連の持病があり、子どもができにくい体であることは結婚前からわかっていた。前夫はそれを知っていたのに自分の子どもを作ることに固執。自ら精子の検査を受け、問題がないことがわかると人工授精を強く主張した。

そこまでして子どもを作るつもりはない貴子さんとの間に溝が生まれ、離婚することになってしまったのだ。そのせいなのかタカコさんは「強い口調で細かいことをあれこれ言う男性」が苦手になった。

「フワッとした雰囲気の人に惹かれます。苦労していてもそれを見せずに朗らかな人もいいな。私は離婚をしているので、絶対にまた結婚したいとは思いません。でも、どちらかと言えば男の人がそばにいないと嫌なタイプです。一緒に過ごせるパートナーがほしいなと思います」

 

一晩だけでいなくなっちゃったら空虚に感じる。だから嫌です

 

経験豊かで話しやすい雰囲気のタカコさん。お互いにワインで酔いが進んでいるので、ちょっと突っ込んだ質問をしてみた。パートナーではなくても、一晩だけ一緒にいる男性を求めたりはしないのだろうか。いわゆるワンナイトラブである。

「一晩だけでいなくなっちゃったら空虚に感じると思います。私の性格には合いません。肉体的よりも精神的なものがほしいからです」

離婚した後、タカコさんには年上の恋人ができた。熱烈に求められて付き合い始めたけれど、その男性は仕事や病気を理由にして離れていった。最期の半年間はほとんど会えなかった。でも、彼から暴言を吐かれるまではタカコさんは別れを決意することはなかった。会えなくても、離れていても、心のどこかでつながっていると信じていたからだ。

いま、タカコさんは「すぐにでも新しい人と出会って恋愛をしたい」タイミングだ。しかし、お互いの弱さにつけこむような不倫やワンナイトラブをしたいわけではない。そんな虚しさを味わうぐらいならば、このまま一人で生きていく。それだけの強さがタカコさんには備わっている。

 

※登場人物はすべて仮名です。

 

 

 

イラスト:吉濱あさこ http://asako-gaho.com/

 

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