第十七回「最低でも週2」はやりたいハルカさん。基本的に欲求不満です

 

恋愛のタイミングも何もない。常に飢えているのだから

 

「とにかく明るいヤリマンだと自分のことを思っています。『君は明るく振る舞っているけれど心の闇を抱えている』なんて決めつけたがる人もいますが、私はセックスが好きなだけですよ」

都内の新潟料理店でハルカさん(28歳)がいきなり告白した。注文した瓶ビールはまだコップ2杯しか飲んでいない。酒好きなので酔うと「ゆるく」なるらしいが、シラフでも赤裸々に語ってくれる女性のようだ。

メディア関連の会社員であるハルカさん。卵のような美しい形の目をしている長身の美女だ。学生時代は「週6」出勤でキャバクラのアルバイトをしていて、その店の店長と交際していたという。現在も週1、2回のペースで都心のスナックで働いている。

「いろんな人が来る店なので仕事のネタ集めにもなるかな、と思っています」

同棲して1年になる恋人がいる。美容師のシンジさん(33歳)だ。とても気が合うので別れたいとは思っていない。しかし、慣れもあってセックスは月に数回のみ。「最低でも週2はやりたい」というハルカさんは基本的に欲求不満なのだ。本連載の趣旨である「恋愛や性愛のタイミング」も何もあったものではない。「常に飢えている」のだから。

 

同棲中なので朝帰りはできない。都合がいい男性を探しています

 

「ベッドの上で求めても彼氏から『疲れている』と拒否されてしまうことがあります。仕方ないから、隣でオナニーしてますよ。集中すれば30秒ぐらいでイケますから。でも、セックスのほうがいいに決まっています。都合がいい男性がいないかな、と思っているところです。同棲しているので朝帰りはできません。そういう事情を理解してくれて、なおかついきなりセックスではなく、一緒に楽しく飲んだついでにホテルにサクッと寄る、みたいな関係だといいですね」

ハルカさんはこんな話をアルバイト先のスナックでも話しているのだ。営業トークではないかと疑いたくなるようなエロ話である。当然、酔った男性客からの「立候補」は絶えない。

「こないだは自称クリエイターの50代のおじさまからアフターに誘われました。帰りがけに路上でキスはしましたよ。私は酔うとたいていキスしてしまうんです。男女関係なく、8割ぐらいの人とはできると思います」

このインタビューはICレコーダーで録音もしている。このくだりを聴き直していると、かぶせ気味に「熱燗を2合ください!」と店員に叫んでいる筆者の声が入っていた。取材先を酔わせてどうしようというのか。恥ずかしい。

ハルカは平気な顔で熱燗も飲んでいる。ビールは水の替わりだ。相当に強いらしい。

「酔うと気持ち悪くなるのではなくて気持ち良くなる体質なんです。気がついたら、さっきまで一緒に飲んでいた男の人が(ホテルで)私の上にいる、なんてことはしょっちゅうですから。でも、その50代おじさんとはキスまでです。かなり強引にホテルに誘われましたが、『今日は下着が変なので』みたいなくだらない言い訳をして帰りました。その人とは寝ることを想像しても楽しく思えなかったからです」

 

自分の同世代や年下は「弟」に見えてしまいます

 

シンジさんとは3年間ほど付き合っているが、一度だけ本当に浮気をしたことがある。やはり飲みに行き、気持ち良くなって男友だちと寝てしまった。

相当にゆるいハルカさん。しかし、シンジさんはそれを上回る強者である。浮気した直後のハルカさんの「形」を見て、「オレとは違う。他の男とやった?」と指摘して来たのだ。成人向けのマンガのワンシーンのようだ。

「あれには驚きましたね。『オナニーのし過ぎだと思うよ』と言ってかわしましたけど、何か感づいているかもしれません」

酒を飲むといつでも「タイミング」が訪れるハルカさん。自分の本性に気づいたのは20歳になって本格的に酒を覚えてからだと振り返る。

「それまでは欲望を押し殺していたんですね。お酒で一気に開花して、手当たり次第にやっていました。でも、基本的には年上が好みです。自分の同世代や年下は弟に見えてしまいます。最近は、クラブに行っても年下ばかりでやる気になれません。かといって15歳以上も年上はさすがに無理です。30代半ばから40代前半までが今の私にはちょうどいいですね」

ハルカさんが受け入れ可能な男性はおそらく100万人ぐらいいることだろう。彼女のような女性が日本の酒場を元気にしているのだと筆者は思う。

 

※登場人物はすべて仮名です。

 

 

 

イラスト:吉濱あさこ http://asako-gaho.com/