第十九回 気づくと彼のペースになっていた。振り回されたい私です

 

 

 

 

匂いが素敵な彼。連絡先を交換したその日に泊まりました

 

そこらへんにいる美女にインタビューをお願いして、恋愛や性愛が始まるタイミングについて聞き取る本連載。ぶっちゃけ話を聞きたいので美味しい料理と酒は必須だ。

メディア関連の会社勤務のハルカさん(28歳)と一緒に行ったのは都内にある新潟料理店だった。つまみが美味しくて居心地の良い店で、禁煙などという堅苦しいことは言わない。喫煙者のハルカさんはビールと熱燗を交互に飲みながらリラックスしてくれているようだ。

色白で長身のハルカさんはモデルのような美人である。恋人である美容師のシンジさん(33歳)と同棲中だが、「明るいヤリマン」を自認するハルカさんは性生活に不満があるようだ。シンジさんのことは好きなので週2ペースでセックスができれば他の男性には目が向かない。しかし、同棲して1年が経つ現在では月2になってしまった。今のところ浮気は一度きりだが、性欲には素直なハルカさんは「いつでもタイミング」状態なのだ。

そもそもシンジさんとはセフレから始まったとハルカさんは何気なく明かしてくれる。どういうことなのだろうか。

「4年前に美容室で会いました。お互いの地元が近いことで盛り上がって、髪の毛に触れられているといい気分でしたね。私は男性の匂いを重視するタイプで、彼の体臭と香水が入り混じった匂いも好きでした。通って何回目かで連絡先を交換したんです。予約は直接入れてほしい、という事務連絡用でしたが、私のほうからその日のうちに飲みに誘いました」

 

浮気はしたくない。でも、一方的に好きでい続けるのは疲れます

 

当時、ハルカさんは転職前の堅い社風の会社で働いていた。20歳のときに酒とセックスの楽しさに目覚めたというハルカさん。会社では真面目に振る舞っている分だけオフになると奔放になっていたと振り返る。

「飲みに行った帰り道、離れたくなくて彼の後にずっとついて行きました。彼から『うちに来るの?』と聞かれたので『うん』と答えましたね。泊まって、やることはやりました。私は付き合って欲しかったのですが、『オレ、ビッチとは付き合わないから』と断られてしまって……。後から知ったことですが、当時は彼女がいたみたいです」

似た者同士のカップルである。本連載はタイトルで「美女にもあるビッチ期って?」と掲げているが、その頃のハルカさんはまさにその時期だったのだ。ハルカさんは以下のように反論する。

「好きな人とちゃんと付き合えて、定期的にセックスできていれば他の男性にはあまり興味を持ちません。でも、私は笑顔が可愛い人に遊ばれちゃうことが何度かありました。好きになると冷静さが麻痺するので、私を大事にしてくれない人にも固執してしまったり。でも、一方的に好きでい続けるのは疲れます。そんなときに私を『いい』と言ってくれる人がいたらそっちに行くだけです」

ただし、がっつかれるのもリードするのも苦手だ。シンジさんのようにマイペースで、こちらの言動には左右されない男性に心惹かれる。

「自分のことはあまり話さないくせに、気づくとその人のペースになっている。そんな男性がときどきいますよね。彼のペースで私を振り回してほしいんです」

 

「千人切り」の男性から体当たりで学んだ2つの恋愛奥義

 

シンジさんと交際する前、ハルカさんにとって理想に近い男性がいた。伝統芸能の世界で活躍しているタカフミさん(35歳)だ。

「まったくイケメンではありません。でも、女の子を好きにさせるのがすごくうまいんです。今までに千人とセックスしたと言っています。たぶん本当でしょう」

ハルカさんの聞き取り調査によれば、シンジさんは2つの手法を駆使している。1つ目は、普通の男性は臆してしまうほどの美女にこそ声をかけて、褒めるのではなくていじることだ。

「褒められることには慣れていても、いじられることは少ないので新鮮で嬉しいのだと思います」

2つ目の手法は、下ネタはやたらに言うけれど目の前の女性に関することは言わない、だ。これも高度なテクニックなのでハルカさんに解説してもらおう。

「例えば、『君はオナニーをしているの?』なんて聞かれるのは気持ち悪いですよね。でも、彼と第三者との話ならば気軽に聞くことができます。私には関心ないのかな?なんて思ったり。そうやってさんざんじらされました」

何度か一緒に飲みに行き、ハルカさんはタカフミさんをすっかり好きになっていた。しかし、あまりに遊び人なタカフミさんはハルカさんの女友だちに先に手を出していたことが発覚。ハルカさんの気持ちは少し冷めた。

「それからは腐れ縁の友だちです。彼はやっぱり女扱いが上手で、私に彼氏がいるときは『オレ、お前のことがけっこう好きなんだけどな』とか言うんですよ。2年後ぐらいに彼氏がいなくて寂しいときにホテルに行っちゃいました。ベッドの上でのいろんなプレイを聞かされていたのですごく期待していたのですが、正直言ってガッカリでしたね。こんなもの?と。やっぱり気持ちのどこかで彼にムカついていたのだと思います。『お前はオレのことが好きなんだろう』という傲慢さが見え隠れしていたからです。お互いに相手のことがちゃんと好きだったら、セックスの上手い下手はあまり気になりません」

いい意味でも悪い意味でもタカフミさんから我々男性が学べることは多そうだ。ちなみに彼は現在も独身である。

 

※登場人物はすべて仮名です。

 

 

イラスト:吉濱あさこ http://asako-gaho.com/

 

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