第13回 モテる人のモッテる本(中編)

 

 

私まわりで最もモテそうな男性のうちの一人、イラストレーターのWさん。グイグイ行きすぎていた過去の自分への反省をふまえ、自分と相手との距離感を大切にしているWさんのふるまいが、彼の魅力のひとつになっているようです。

そんなWさんが持って来てくれたモテを感じる本は、ブルーノ・タウト、ヴィム・ベンダース、オクタビオ・パス、森田恒友…

 

——また渋いセレクトですね〜これ、古本なのかな。お気に入りの古書店とかあるのですか?

 

Wさん「あ、半分くらい○ッ○オ○です」

 

——えっ、○ッ○オ○? 見つけるの上手いですね。

 

Wさん「カンでしょうか。パラパラめくっていると、ひっかかってくるものがあるんですよ」

 

——これの本から色気が出てるというわけですね。そして次のおすすめのモテ本は……

 

左「I know she had a dream of unicorn」(Suguru Ryuzaki 自費出版)

右 レイモンド・カーヴァー『ぼくが電話をかけている場所』(村上春樹:訳 中央公論社)

 

——小説もお好きなんですか?

 

Wさん「この短編集、のっけからいいんですよ。(パラパラとページをめくりながら)

最初の『ダンスしないか?』は、離婚したらしい男がガレージセールで家具を売っていて、そこに若いカップルがやって来るんです。二人はベッドやテレビを選ぼうとするんだけど、おもむろに男がレコードをかけはじめて……そしてカップルの女の子のほうとダンスするという。娘は恥ずかしがりながらも、勇気を出して、踊りましょうと言うんですよね。ただそれだけの、他愛ないストーリーなんですが……めちゃくちゃいいんですよ!」

 

——私もレイモンド・カーヴァーはよく読みましたが、この話はおぼえてないですねえ。

 

Wさん「近所の人にへんな目で見られるかもしれない。でもガレージセールをしていた男は、〝奴らはここで起こったことを何でも目をとおしてきたつもりだろうけど、こういうのは見たことないはずだ〟と言うんです。

そして娘は後日、この日にあったことを会う人ごとに話すんだけど、どれだけしゃべっても伝わらない何かが残ったと。言葉では伝わらずに、体感として残っているもの、影響を受けていることがある。そういうことが大事なんだと、この話から教わったような気がします」

 

——つかみどころのない話にも思えますが、言葉にできない何か……というの、わかります。(※後日読み直したら、おもしろかったです)

こちらのフォト・ジンは? 全てのページに同じ一人の女性が写ってますね。モデルというより、ヘンな顔してたり……自然体というか、むちゃ油断してますよね笑

 

Wさん「写真家の龍崎俊がパートナーを撮っている作品集で、この二人の関係性でなければ撮れない愛に溢れた表現になっていて、すごく気に入っている一冊です」

 

うん、この女性、いい顔してますよ。

 

Wさん「ですよね。もはやモテどうこうでなく、行き着く先はここですね。目標です」

 

(まだ続く)

 

 

 

 

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