第十七回 「答えを求めて目を逸らして」

 

 

 

 

ラジオ番組の電話人生相談は、愛に友情にモテたかった人たち、それなのに得られなかった人たち、もしくは奪われようとしている(と思い込んでる)人たちが理由やアドバイスを求め、集まってくるコンテンツです。
モテない、なぜなのか、それを知りたい確かめたい。いやできれば自分以外に原因があってほしい、そんなモテなさの心の持ちようの傾向に心当たりがないでもない者達よ、人生相談という知の集合体で学習し、できれば矯正の礎にしよう…。

「あーーー自分にもそういうトコあるぅ…」

 

人付き合いがうまくできない、会社では自分が出せず家に帰るとその反動で夫に暴言吐いてしまう40代女性。

「緊張してしまうというか、どう思われるか笑われないか考えてしまって本当の自分が出せないんです。挨拶ひとつから不安な気持ちになってしまって。家に帰ると反動で夫に強く言ってしまったり嫌味とか口出し多くしてしまったり、職場の自分と正反対になってしまいます」
「貴方が思っている、本当の自分を出すってどういう事?」
「必要以上にビクビクしたりしないで、オドオド意味もなく疑心暗鬼になってしまったりネガティブな気持ちなく、素直に明るく朗らかにしていられるのが本当の自分なのかなって」
「自分自身抑えておとなしい人が家庭に帰ると爆発する、あなたの言う朗らかとか全然遠いじゃない?という事は望みなの?どっち?」

実像と、相談者が言うところの「本来の自分」イメージの振り幅のでかさに「本来の自分」と「なりたい自分」を混同せずにきっちり分けろからの「明るく素直とか言ってるけど何の為にそうなりたいの?なりたい自分を考える時に世間にどう見られるだろうってそこがまず間違ってる」と、持ち込み原稿にダメ出しをする編集のようにグラつくキャラクター設定を詰められる相談者。私たちは人生においても動機付けが弱いキャラクター設定はリテイクくらってしまうの…。

 

離婚したいと言われてる妻に頼むから別れないで欲しいと訴えている40代男性。

「仕事も手がつかなくて夜も眠れなくて食欲も無いんで気が弱いんだなでも今まで自分がやってきた事思うと当然なのかなと解ってるけどなんとかしたいなと次から次へと気持ちがグルグル回って居ても立っても居られなくなって今日連絡したって感じなんですけど」

夫、エンリッチメント低い園のアニマルか。

「落ち込みやすいです仕事でもなんでも怒られるとヘコんじゃいますほんとに気が小さいというかダメなんでしょうねえというのが本音です子供もほとんど教育してませんし勉強も教えられないし妻にもお父さんみたいになるんじゃないよと子供に言っててあああおkjdおすsjのいづあそkいrううっえええっうううっ」

泣き声でちゃんと聞き取れないけどとにかく内角低めすぎる自己弁明、さらに低学歴であることでも自分を責め始めた相談者に、

「奥様がお父さんみたいになっちゃダメっていうのは、学歴を言ってるんじゃなくてあなたの性格のことです」

と回答者、今まで目をそらし続けてきた本質をあっさり一言で全国公開してしまう…。

 

会社の人間関係で仲間はずれにされてるように感じる40歳女性。

「皆でBBQする時に買い出し行ってきますってなっても声がかからない」
「皆でランチにいくとか当然声かけられるのかなと思ってたら」
「当然誘われるであろうと当然自分も行くんだろうと思った時に」
「私もいたのにどうして誘ってくれなかったのって」

待ちの姿勢ながらも願望と主張がいちいちつよい相談者。

「一言いいですか?あなた”当然”という言葉使うんですけど”誘われて当然”=”我儘”だと思って下さい!誘われて当然というのは我儘!」

言われよる。

「わかりました、そう言えばいいんですね」
「あのね?わかりましたじゃなくて、あなたは先生に言われてそうですねそうですねわかりましたそうすればいいんですねって言うけど出来ないまんまの何十年ですからそう簡単に言えないと思います!」

刺さりよる。(相談者、そして自分に。)

うっかりやっちゃう心当たりありすぎのネガティブ思考や自己卑下を、非情のレシーブで即打ち返してくる回答者の原因指摘ラリーの流れ弾に当たって当方、心の出血がダクダクなのですが事例ごとの学習教材として参考にする以外も、回答者により原因はそもそもの「性格」とか「人間性」にあると訴えかけられてるのに、自身の学歴や環境を「低」とか「劣」に位置付けて問題をすり替え身を守ろうとするタイプの相談者が複数見受けられ…それは…ダメ…いいことないと訴えたい…。この番組は自己卑下による保険は適用外で効かないし、共感も慰めもしてくれないこのコンテンツを通して、あなたの人生と共に早く気づいて…私も気づく…。
だがしかし悲しいことに気づいたところでできないまんまの数十年(年齢)」で固まった身体は早々に反応も順応もしてくれない…私達は出来なかった年齢分の塊で出来ている…これこそが本当の自分…モテを求めて気づいたら私いま、血涙がとまらねえ。