第十八回 「善か悪か白か黒か光か闇か」

 

 

 

人は基本、被害者側に立ちたがってしまうのは意識しておきたいところであり、一旦そこに無意識無自覚となると人に害を加えたとしてもそれはいたしかたない事情による制裁であり、ならばそれは正義でありOKとなってしまいがちであります。とにかく使いどころ誤った正義はヤバい。

 

そして当コラム的にはモテのために愛のために、持ち出してしまった正義や正しさの危うさを知ってほしくて…そこを相談者の実体験を元に啓蒙してくださるのがラジオ番組、電話人生相談…ほんっっっと無料でいいんですかねコレ…(聞いてほしい)。

 

「善か悪か…光か闇か…2つに1つ…」

 

家から出て行ってほしいと妻に言われ離婚調停中だがどうしても出て行きたくない別れたくない40代夫。

 

「(義両親は)話も聞かずに嫁さんの味方なんで。何しても私が悪いことになるんですよ、たとえ私が正しいことをしていたとしても」

 

相談者には、敵か味方か善か悪か白か黒かの二元論マンがよく観察されます。

義両親嫁VS俺、立場は弱くともオノレの正しさを信じて立ち向かう夫。

 

「あの、そのどっちが正しいかってこちらには判らない事ですけど、例えばお子さんはどう思ってらっしゃる?」

「心の中では私が正しいって思ってると思うんですよ。でも自分についてくる気持ちは無くて、どっちが得だと考えてると思いますんで」

 

子供はついてこなくてもきっと心では私が正しいと思ってくれて、つまり私は正しい。聴く方には何が根拠なのかは不明だけど本人にとっては確固たる正義を胸に、家庭に居残り続けるために立ち向かう夫に、回答者が諭す。

 

「こちらにはどっちが正しい判りませんよ?ひょっとしたら正しいのは貴方なのかもだけど、夫婦って正しいからうまくいく訳じゃないんですよ?特に正しい正しくないかっていう詰め方は挑戦的に聞こえてしまうかもしれないです。お気の毒ですけどそのやり方で何が何でもこの家にいて離婚しないようにすること、できるのかなあって」

 

自分が離婚しないのは子が妻から暴力を受けているから、子を守るためだと言い出す相談者。

 

「貴方がそうに違いないと思ってるだけなのか、本当に子供がその訴えを貴方にしているのか、そこはちゃんと整理してくださいね?」

 

相談者の正しさ信じる力a.k.a思い込みと事実がどんどん混じり合う…。

 

「本当に母親の暴力で子供の身が危険なら、自分が引き取るって話じゃないとおかしいと思いませんか?自分がこの家に残り続ける、はおかしいんじゃないですか?」

 

「権利として居る、正しいから居る、ということで家庭は成り立たないんですよ」

 

人として夫婦として家族としての家庭のつながり、はとうに消えていてオノレの「正しさ」「勝ち負け」に執着するしかなくなっている悲しい人間物語…。綱引きのように正義を引き続け、全て取り返したとしてその綱の先にあるものは一体なんなのか…。

 

 

 

毎週末ごとに嫁実家に家族全員で集う習慣が結婚以来続いているがこれはおかしいのではないか、あるいは自分がおかしいのか、サイコサスペンス的議題でジャッジメント求めてきた夫。

 

「私も昔は甘んじて行ってたんですがその関係もおかしいなと思いまして独自に予定計画したらですねやっぱり嫁実家との予定ぶつかりまして私の方をキャンセルするように言ってきたんですそれを私は甘んじて受けたんですけど」

 

事あるごとに甘んじてきた、の回数に不満がのぞく夫。

 

「僕が間違ってるのか嫁が間違っているのか納得いかなくてですね」

 

俺は果たして正義か不義か天使か悪魔か…。

 

相談者、つらつらと長い長い心情吐露のあと「要するにアレでしょ?あなた居場所がないってことでしょ?」電話人生相談名物、身も蓋もない要約をかまされたうえに回答者のお答えは

 

「これは理屈ではなく納得の問題ですよね?理屈でアーダコーダじゃないですよ。少なくとも貴方の奥様ってのはそういう環境で育ってこられてそれが自然なんですよ、けして歪んでるって思うべきじゃないですよ、食い違いなんですよあくまで。そこは勘違いなさらない方がいいですよ?」

「貴方がそういう奥さんを受け入れる事ができないという事であればどうするかっていう方向性、どちらを選ばれる事なんだと思います。もし奥様を選ぶという事なされるんであればあとは貴方の度量の問題になります」

 

べき論マンVS度量マンが戦い、そこに理屈マンVS納得マンも参戦しくんずほぐれつ…!家庭は正しい正しくないで断罪する場ではなくおまえが受け入れられるかどうかの話であるアドバイス真っ当!至極…真っ当!

 

正しさを求めて突き進みすぎる人々はどの事案みても愛もモテも失い、傍でみているともう執着しか残ってなくて、聞いていて本当に蟻地獄なので皆さんも正義はほどほどに、持ち出す場を選んで用量用法を守ってしがみつきすぎないようにしましょうね…。