fbpx

第一回 男子校生は拍手の音で性交に思いを馳せる

 

■男子校生は以外と下ネタで盛り上がらない

 

 

「下ネタばっかり言っている」

「頭の中は女のことばっかり」

「臭い、汚い、金玉をいじりがち」

 

一般的な「男子校」に対するイメージってこんな感じじゃないだろうか。

 

3つ目に関しては事実!

 

思春期まっただ中の男子ばっかり数十人、教室に閉じ込められていたら、そりゃあ変なニオイも発生しようというもの。特に夏場は強烈なビネガー臭が漂う悲惨な学習環境となっていた。

 

しかし「下ネタ」「女」に関しては、力強く否定はできないものの、「意外とそうでもないよ」ということを主張しておきたい。

 

もちろんリビドーほとばしるお年頃。エロや異性に興味がないわけではないのだが、生まれてたかだか十数年の子どもが異性との交流を断たれたコミュニティで生活していると、下ネタや女性に関しての話をしようにも、知識や実体験が乏しすぎてイマイチ盛り上がらないのだ。

 

都会の男子校じゃあ、近隣の女子高と合コン……みたいな話も聞くけど、ボクが通っていたのは広大な畑の中にポツンと建っている、陸の孤島状態な学校。しかも自転車で通学していたため、通学電車の中で「ドキッ!」とかもナシ。

 

当時はまだインターネットなんてものもなかったし、当然、18才未満なのでAVを借りることもできない。手に入るのは「デラべっぴん」とか「アクションカメラ」といった非常にマイルドなエロ本のみ。

 

そんな状況だと、下ネタは下ネタでも出てくるワードは「ウンコ」とか「チンチン」といった、『コロコロコミック』に夢中な小学生レベルの低次元なものばかりになってしまう。

 

さすがに高校生にもなって「ウンコチンチン」で何時間も盛り上がっていられない。それよりは、「ダルシムの骨格はどうなっているのか?」「糸井重里は赤城山から徳川財宝を掘り出せるのか!?」「ジョン・F・ケネディー暗殺犯は宇宙人か否か!」といったアカデミックな話題の方がよっぽど盛り上がるのだ。

 

■エロ師匠が教えてくれた「セックスの音」とは

 

そんなエロ無菌室状態にいたボクたちに、様々なエロ知識を教えてくれるK井くんという友達がいた。

 

「時速80キロで走るクルマの窓から手を出すと、Cカップのおっぱいを揉んでいるのと同じ感触」「女には10個の穴がある」「GスポットのGはグレイト」どこから仕入れてきたのか、真贋あやしいエロ知識を披露してはクラスメイトを「へーへーへーへー」言わせていた、エロ『トリビアの泉』男。「パイパン」というパワーワードを教えてくれたのもK井くんだった。

 

そんなK井くんがある日、グーとパーにした両手を何度も打ち付けてパンパンパンパン音をさせている。

 

「何やってるの?」

 

「これがセックスの音なんや!」

 

余談だが、ボクの出身は群馬県。関西弁を使う同級生なんているはずないのだが、当時はダウンタウンの全盛期だったため、関西出身でもないのに関西弁を使っているヤツが結構いたのだ。……つらい。

 

閑話休題。

 

セックスの最中、女性が「いやーん、うふーん」と声を上げるとは聞いていたが、セックスに「音」があるとは知らなかった。サリバン先生に腕をつかまれながら「ウォーター!」と叫んだヘレン・ケラーのように衝撃を受けるボクたち。

 

「ピストンするやろ? 金玉が揺れるやろ? 女の尻に当たるやろ? するとこーゆー音がするってわけや!」

 

パンパンパンパン続けながら真顔で語るK井くん。

 

確かにセックス中、音はするけど、金玉がスイングして打楽器のように音を奏でているわけじゃないぞ、K井! ……今だったら言えるが、当時のボクたちは目から鱗が落ちまくりだった。

 

それからなぜか、「パンパンパンパンさせるのが速いヤツほどセックスが上手い」というルールが制定され、ボクのクラスでは休み時間になるたびに狂ったようにパンパンパンパン手を叩く童貞の集団が目撃されるようになった。

 

リビドーが炸裂しているお年頃に「異性」から隔離され、行き場のないリビドーがトンチンカンな行動をさせてしまう。

 

これがリアル・男子校生の日常なのだ。

 

今はネットがあるので、こんな牧歌的な男子高生は絶滅してしまったかもしれないが、21世紀の今でも、ドヤ顔で信憑性の低いエロ知識を披露しているエロ師匠がいたら、どんなことを言っているのかこっそり教えてもらいたい。

 

ナポレオンのメルマガに登録しよう!