第二十回 「夢みるようにモテたら2019」

 

 

 

 

右から左から夢のようにモテたい。そしてほっぺたをつねってイテテとかカマしたい。
そんな憧れのモテが現実にあったらどうなる…?知りたくないですか?人間が引き起こすすべてを想定内から想定外までの陳列棚、ラジオ番組「電話人生相談」から夢モテ案件の実情のご紹介です。

 


「もう双方向からモッテモテ…」

婚活パーティーで知り合って交際している女性がいるが、実は兄嫁とも男女の仲にあり、義姉とは別れなくてはいけないと思うがどういう言い方をすればよいのか教えてほしい男性。

 

義姉て。2股て。設定がもう漫画かラノベか。

「婚活で女性ができたんです」
「ではご相談というのは?」
「あの、実はもう1人お付き合いしてる人いるんです」
「もう1人って」
「それは言っていいんでしょうか、身内の人なんです。私のあの、兄のお嫁さんなんです」

展開を面舵いっぱい回してくる婚活マン。
お兄さんは亡くなっておりまあコンプライアンス的にもギリセーフ。

「そうするとお互いに、なんていうか義理のお姉さんという関係でなくて1人の人間として、男と女、ということ意識してつきあいはじめたのは?」
「2年くらい前です」

いきなり登場した複数がすぎる要素で倫理の着地点がすぐにはみつからず、すっげえ回りくどい言い方になるパーソナリティー。

「これじゃいけないという気持ちが?」
「ありました」
「それで新しくつきあおうと4ヶ月前婚活パーティーで知り合ったと?」
「はい、知り合った人はこの先ね、結婚しなくてもいいからさみしいんだったら同棲してあげてもいいんだよって言ってるんです」

もう全てが相談者に都合よく寄ってくる恋愛ハーレム。連載決定と続巻がみえる。

「で今、その2人の女性とつきあっててこの婚活の人ともっと仲良くなって同棲したりしたら、もう1人の方にやっぱりもうおつきあいできないよって言わなくてはいけないと思うんです、ですから虫のいい話かもしれないけど、お義姉さんに何て言ったらいいかなあって」

「あの、新しい人できたからやめるわってなんか、1年半くらいそういう男女のつきあいしてて、なんか申し訳ないなあって思うんです、だから踏ん切りつかないから、言えなくて」

申し訳ないから言えなくて。人が刺されるまでのプロセスってこんな感じなのかな…と刃傷トラブル秒読みまったなしの恋愛パラレル展開相談なんですけど、この何がすごいってその。

「姉さんって義理のね?」
「はい、義理の姉になります」
「何歳?」
「76歳」

義姉76歳(2年くらい前から男女の仲)。

「それで新しくその75歳とパーティーで知り合ったと?」

婚活で知り合った現彼女75歳(交際期間4ヶ月)。

「結婚したいんでしょ?」
「いやなんか書類とかもうこの歳だし。後せいぜい10年元気にできるかなーって、その間楽しく旅行とかドライブ行ったりしたい気持ちなんです」

はいっ主人公の婚活相談者は71歳でございます!
しかも婚活しながら結婚するつもりはない71歳!
しかもこの色々あるご時世にあと10年免許使う気マンマンなのか71歳!

平均年齢72歳の相談に回答が続く…。

「お義姉さんは貴方と一緒になろうと思ってらっしゃるんじゃないの?」
「さみしいんだったらいいんだよ…?って言うから。前も奥さんと別れたとき復縁できるといいんだけどねって言ってくれて」
「それ本音だったらアータ、今回だって新しい人みつかってよかったねとお義姉さんが本心ならば、そう祝福される筈だと思うけど、まあ本音じゃないわなあ?」
「え本音じゃない?」
「いやいや本音なワケないじゃーーーん!!!」

義姉(76)の言う事を都合よくそのまま飲み込んで来たラノベ主人公(71)にないじゃーーん!と叫ぶ弁護士。

「どう言ったらいいのかって、どう言ったっておんなじです!アンタはね、どういう言い方対応すればお義姉さんの方から気持ち良く、自分の事を恨まないで別れてくれるかと、そういう虫のいい事考えておられるワケですよ!本当にお義姉さんの為を思うんだったらアンタの方が徹底的に嫌な男になって自分はとんでもねえ野郎だとトコトンやって向こうに三行半突き出させる事ですウウウウウウウウウウ!!!!!!!!」

ラノベ展開に合わせて回答者もアツい。セリフがアツい。

「わかる?私の言ってる意味わかる???アンタ恨まれたくないんだよアッチにもコッチにも!わかってんでしょほんとは???」

「いやあ罪作りなことしたもんですね」

最後まで迫り来る刃物が見えない実にお達者なモテ71歳。ていうかいま無事に生きてるかな71歳。

ラジオ番組がおしえてくれる夢のようなモテでも現実ではもうっかり取捨選択を放置した場合に孕む危険性…しかもそれを70代に教わるこの構造…70代モテから学ぶ、これこそがいま私たちが生きる超高齢社会の縮図…現代…現実…。