第25回 グダつかないための「お店の決め方」講座

ぼく、ヒモックマ。

 

女に養ってもらっている白クマの男の子だよ。

 

前回のコラム(第24回)で、女の子とデートにいった際の「会話の進め方」について語らせてもらいました。

 

デートの本質は「いかにカッコよく口説くか」ではなく、「いかに相手に楽しんでもらうか」だということがおわかりいただけたかと思います。

 

それを踏まえまして今回は、デートの前段階である「お店の決め方」について語らせてちょッ!

 

 


お店を決めるLINEのやり取りで、一番重要なのは「グダつかない」です。

 

「グダつく」とは、お店ひとつ決めるのに、何回も何十回もLINEのやり取りをして、それでもなかなかお店が決まらずに、グダグダになっている状態のこと。

 

こうなってしまっては、「こいつと飲みに行っても、会話までグダついて楽しくなさそう」と思われてしまい、いつの間にかデートの話はうやむやに。

 

LINEを交換した時点では、相手も好感触だったのに、「飲みに行こうよ!」のお誘いの段階で、なんとなく変な感じになって流れてしまった……というのは、だいたいこれが原因です。

 

誰しも一度は経験があるのではないでしょうか?

 

 

皮肉な話ですが、心が優しい人ほど、お店選びでグダつく傾向にあります。

 

なぜかというと、優しい人は「相手が喜ぶお店に連れて行ってあげたい」と考えるからです。

 

「相手を喜ばせてあげたい」というのは、とても正しい気持ちなのですが、「じゃあ、相手が喜ぶお店はどこか?」という問題は、非常に難しい。

 

だからこそ、「相手は何を喜ぶのだろう?」というリサーチのために、何回も何十回もLINEをしてしまうわけです。

 

無限に選択肢のある「お店選び」において、「どこに行きたい?」「何、食べたい?」と聞かれても困る、ということに気付かずに…。

 

優しさが生んだ悲劇ですね。

 

心が優しい人のために言っておくと、「お店を率先して決めてあげる」というのも、優しさです。

 

「何かを決める」ということは、気力を使います。どんな小さな決断でも、そこには少なからず責任が伴いますからね。

 

それに、お店選びに失敗したら、「センスねえなぁ~」と思われるリスクもある。

 

そのリスクと労力を、こちらが負担するのも、優しさです。

 

とはいえ、「お店選びに失敗したらどうしよう…」と不安になる気持ちもわかります。

 

そこで、こういう質問をしてみてはいかがでしょうか。

 

 

まず、最初に女の子に確認しておくべきことは「嫌いな食べ物」です。

 

「好きな食べ物」を聞くのも、間違ってはいませんが、相手の立場になって考えてみてください。

 

「一番好きな食べ物はラーメンだけど、べつにデートで行きたいわけではないし…」「お寿司が好きだけど、それを言うと高級寿司をおねだりしているみたいになっちゃうし…」と返答に困ってしまいますよね。

 

それなら「これは絶対に避けてほしい」という逆リクエストを聞いておくのが、最適解だとぼくは思います。

 

「パクチーが苦手なんだよね」と聞けば、タイ料理や創作アジア料理は避けておいた方がいいな、ということが見えてきます。

 

少なからず「お店どこにしよう~(汗)」という状況よりは、一歩進むことができるのでおすすめです。

 

また、この聞き方をしておけば、「嫌いじゃないんだけど、海老にアレルギーがあって」「実は軽度のピーナッツアレルギーなんだよね」など、命にかかわるアレルギー体質の話もしやすくなります。

 

相手のことを本当におもてなししたいのなら、「何が嫌いか?」を聞いておくのがいいでしょう。

 

 

嫌いな食べ物を確認して「特にないよ」「なんでも大丈夫」という返答が来た場合、次の質問として「魚系と肉系だったら、どっちがいい?」と投げてみましょう。

 

実は、この質問自体には、あまり意味はありません。

 

なぜなら、この世にある居酒屋は、だいたい魚系も肉系も揃えているからです。

 

つまり「魚系と肉系、どっちがいい?」というのは、何も聞いていないのと一緒。

 

では、なぜ、この質問をするのかというと、相手に「自分が選んだ」と思わせる狙いがあります。

 

たとえば、「魚系」と答えが返ってきたとしましょう。

 

それに対して、あなたが「魚系ならここがおすすめだよ」と素敵なお店を、即返してきたら、相手はどう思うでしょうか?

 

同様に、「肉系」と答えた時に、「ここ、おいしいお肉が食べられるんだよね」ととっておきのお店が、すぐに提案されてきたら、相手はどう思うでしょうか?

 

この人、おいしいお店に詳しいんだ」と思うことでしょう。

 

「魚系と肉系、どっちがいい?」の返答を聞く前から、実はすでに提案するお店は決まっていました。

 

しかし、「このお店、どうかな?」と聞くのではなくて、あえて「肉か魚か」という選択肢を与えることにより、あなたは「相手のリクエストに瞬時に答えたひと」になったわけです。

 

すでにカードは決まっていたのに、相手に「自分の意志でカードを選んだ」と思わせることにより「どうして私が選んだカードがわかったの!?」と思わせるマジシャンのテクニックと同じですね。

 

 

「おいしいお店をたくさん知っている人」と思われることがプラスかどうかはわかりませんが、これにより、あなたが決めたお店は、一気に「おいしいお店をたくさん知っている人がおすすめしてくれたお店」になります。

 

そうすることにより、相手は、デート当日を「楽しみ」にしてくれます。

 

デート中だけではなく、デートの前から楽しい気持ちにさせるのも、ひとつのおもてなしだとぼくは考えています。

 

実際にあなたが「おいしいお店をたくさん知っている人」でなくてもいいし、そのお店が「おいしいお店」でなくても、大丈夫です。

 

重要なのは、「魚系ならここがおすすめだよ」「肉系ならこのお店がおいしいよ」と相手の選択肢によって、それに沿うように「行きたくなるプレゼン」をすること。

 

そのために、「魚系ならここ」「肉系ならここ」と、決して外すことのないあなたのとっておきのお店を、一軒は確保しておきましょう。

 

極端な話、「魚系」「肉系」で、それぞれとっておきのお店を1店舗ずつじゃなくてもいいです。

 

前述のとおり、この世にある居酒屋は、だいたい魚系も肉系も揃えているので、相手が「魚系」と答えようが「肉系」と答えようが、あなたが知っている唯一のおすすめ居酒屋に連れていけば大丈夫です。

 

というか、べつにとっておきのお店が無くてもいいです。

 

大事なのは、「そのお店に行きたくなるプレゼン」なので。

 

行ったことないお店でも、詭弁で乗り切ることはできます。

 

 

 

こうすれば、グダつくことなく、ビシッとお店を決められます。

 

ひとつだけ注意しておくなら、なるべく「個室居酒屋」にしましょう。

 

個室でいやらしいことをしようと企んでいるわけではなく、デートの本分は「会話を楽しむ」ところにあるので、なるべく会話の邪魔になるようなもの(他の客の騒がしいノイズ)は排除したほうがいい、ということです。

 

でも、世知辛い現世には「これ、個室か?」というニセ個室のお店がたくさんあります。

 

罪の重さに反比例したかのような軽さのうすうすカーテンで一体、何を仕切ろうとしたのでしょうか。

 

これは、何不自由なく現代を生きる私たちに課せられた最後のカルマです。

 

ニセ個室に騙されることがないように、「とっておきのお店」の事前準備は怠らないようにしましょう。

 

ぼくから言えることは、以上です。