第四回 恋愛している場合じゃない、という時期は社会人なら必ずある

 

 

本連載に早くも反論続出! タイミングよりも大事なこと

 

男女関係において最も重要なのはタイミングである、という仮説をもとに突き進んでいる本連載。女性の心理状況を「ビッチ期」「恋愛期」「結婚期」「氷河期」に分け、それぞれどのような気持ちで、何が原因でその期間に突入するのか、などを考察している。

しかし、連載開始を周囲に報告すると様々な反論が寄せられた。結婚相談所を運営する40代の男性は以下のように断言する。

「イケメンではない我々がモテるためには、女性のタイミングを推し量ったりしている暇はありません。とにかく場数をこなすことが一番です。10人中9人からは断られる覚悟で行動しなければ、考え過ぎで臆病な気持ち悪い男性になってしまうでしょう。他に必要なのはサービス精神。どうやったら目の前の相手が喜んでくれるのか。ちゃんと考えて実践できる人がモテるのです」

場数とサービス精神。確かに重要だ。しかし、この連載はある程度の経験を積んだ社会人男性がさらに洗練されるための方策を練ることを主眼としている。例えば、結婚期にある女性と軽い気持ちで交際をすると恨まれてしまう危険性が高まる。相手の状況とニーズを見極めてから自分のやりたいことを提案し、お互いが満足することを目指す。商売でも恋愛でも身につけたいスマートさだ。

 

見た目をちゃんとしている余裕がないとき、恋愛から離れる

 

外資系企業に勤めるエリコさん(30歳)は、女性の立場から筆者の仮説に反論する。ちなみに彼女は、大きな目が印象的な整った顔立ちの高学歴美人だ。

「とりあえず抱いてほしい、という気分になることもありますが、それはタイミングや期間というよりも突発的なテンションや行動であることが多いです。一貫性が見つけづらいと思います。だから、女性のタイミングを見逃さない努力をするよりも、そういう気分になった女性が真っ先に頭に浮かぶ男性になることを目指すほうが効率的ではないでしょうか。ワンナイトラブでも、真剣な交際相手でも、女性から誘いたくなる男性はだいたい同じ共通点を持っています」

エリコさんの場合は、精神的に負の方向に向いているとき、男性に刹那的な快楽もしくは安心感を求める。その男性は、聞き上手でまめで朗らかであることが必須要件である。

では、どんな男性とも会う気になれない「氷河期」はないのか。エリコさんに問うと、興味なそうに即答してくれた。

「仕事が忙しくていっぱいいっぱいだったり、業務関連の資格試験の勉強に集中しているとき、ですね。男性と会うときは、ある程度は見た目をちゃんとするなど、いろいろ時間と労力とお金をとられます。そんなことをしている場合じゃない、という時期は社会人なら誰にでもあるのではないでしょうか」

 

「恋愛期」と「ビッチ期」を行き来しているエリコさん

 

エリコさんは現在、「恋愛期」と「ビッチ期」を行き来している。離婚歴があり、1年前には2年間付き合って半同棲状態だった恋人と別れた。「運命の人」を求めるほどウブではない。それでも、妹夫婦の幸せそうな様子を見たり、学生時代から自分に好意を寄せてくれていた男友だちが結婚したりすると、「私も安心したい」という気持ちがなることもある。

一方で、今は資格試験が終わったばかりなのでやや開放的な気持ちになっている。出会い系アプリなどで会話が楽しい若いイケメンと会ったりすると恋愛やセックスが先行してしまう。先日、「私は二度と結婚できないかもしれない」と感じた出来事があったばかりだ。

「お見合いアプリでマッチングした人から熱烈に口説かれたんです。ネットで調べるといくつも記事が出てくるようなアーティストで、性格は真面目、見た目も悪くありません。30代後半で、年収は数千万円だそうです。私は大学で少し美術を学んだので、彼の仕事には興味があるし、話もある程度はわかります。彼はそれがすごく嬉しかったようで、『作品=僕なので、自分の歴史をすべて話したい!』と大興奮。その場でプロポーズしそうな勢いでしたよ。途中までは楽しかったけれど、私は自分の話も聞いてほしいほうなので疲れちゃいました。その後、連絡を取っていません」

スペックだけで男性を見るならば、今回のアーティストを上回るほどの結婚相手とは二度と巡り合えないだろう。もっと若いときだったら、喜んで彼と交際し、結婚していたかもしれない。

でも、様々な男性を知り、「結婚すれば安泰」とは思えなくなった現在では、心と体が動かなかった。エリコさんは今、そういう年頃なのだ。

 

※登場人物の名前はすべて仮名です。

 

 

イラスト:吉濱あさこ http://asako-gaho.com/